熱収縮チューブを使いたいけれど、ヒートガンを持っていなくて困っているという人は意外と多いです。
コードの補修や簡単な配線保護のためだけに高価なヒートガンを買うのは少しハードルが高く感じますよね。
実は、熱収縮チューブはヒートガンがなくても、家にある道具を工夫して使えば十分きれいに仕上げられます。
この記事では、熱収縮チューブをヒートガンの代用品で安全かつキレイに施工する具体的な方法を紹介します。
初心者でも失敗しにくいポイントや、やってはいけない注意点もあわせて解説していきます。
これから熱収縮チューブに挑戦したいDIY初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
熱収縮チューブはヒートガンの代用品でも問題なく仕上げられる理由
まず知っておきたいのは、熱収縮チューブは「高価な専用ヒートガンでしか縮められないわけではない」という点です。
熱収縮チューブは一定以上の温度になると収縮するように作られており、その温度に達すれば熱源の種類は問いません。
ヒートガンは広い範囲に安定した熱風を送れるため作業がしやすいというメリットがあります。
一方で、ライターやドライヤーなど身近な道具でも、温度と距離をうまくコントロールすれば同じように収縮させることができます。
大事なのは「チューブ全体に均一に熱を当てること」と「コードや周りの樹脂を焦がさないこと」です。
この二つさえ意識しておけば、ヒートガンの代用品でも実用上十分な仕上がりになります。
特に家庭内のちょっとした配線補修や電子機器のケーブル保護であれば、代用品で施工しても問題になるケースはほとんどありません。
ヒートガンの代わりに使える身近な道具
ここからは、ヒートガンの代わりに使いやすい道具と、それぞれの特徴を見ていきます。
道具によって向き不向きや安全面の注意点が変わるので、自分の環境に合った方法を選ぶことが大切です。
ライターを使う場合のポイント
最も身近で手軽なのが、使い捨てライターなどの火を使う方法です。
ただし、直接炎を当てるとチューブやコードが焦げたり、穴が空いたりしやすいため注意が必要です。
ライターを使うときは、炎の先端ではなく「炎から少し離れた温かい空気」を使うイメージで加熱します。
具体的には、ライターの炎をチューブから数センチ離して動かしながら、チューブをくるくる回して全体をまんべんなく温めていきます。
一点だけをじっと熱するのではなく、左右や上下に小刻みに動かして均一に熱を当てるのがコツです。
また、可燃物の近くでは絶対に作業をしないことと、燃えやすい被覆のコードには長時間火を近づけないことも大切です。
「少しずつ縮ませる」意識で、焦らずゆっくり加熱していくと失敗しにくくなります。
ドライヤーで温めるときのコツ
次に試しやすいのが、どの家庭にもあるヘアドライヤーを使う方法です。
火を使わないので安全性が高く、部屋の中でも作業しやすいのが大きなメリットです。
ドライヤーを使う場合は「温風の強さ」と「距離」がポイントになります。
出力が弱いドライヤーだと、チューブが十分に縮むまで時間がかかることがあります。
その場合は風量を強めにして、チューブから5〜10センチ程度の距離でじっくり温めていきましょう。
チューブを手で持ちながらゆっくり回し、ドライヤーも少しずつ位置を変えながら全体に熱を当てます。
時間はかかりますが、急激に熱しすぎて焦がす心配がほとんどないため、DIY初心者には特におすすめの方法です。
ガスコンロやストーブを利用する際の注意点
キッチンのガスコンロや冬場のストーブを熱源として利用することもできますが、これは少し上級者向けの方法です。
直接炎に近づけると一瞬で焦げてしまうため、「炎の横」「炎の少し上」に通過させるようにして熱をもらいます。
チューブを持った手をゆっくり往復させながら、短時間だけ熱の近くを通す動作を繰り返すのがポイントです。
ただし、コンロ周りには油汚れやキッチンペーパーなど燃えやすいものが多く、火災のリスクもあります。
作業前に周囲を片付け、必ず換気をしたうえで、軍手などを着用してやけど対策もしておきましょう。
安全に配慮できる自信がない場合は、無理にコンロやストーブを使わず、ドライヤーなど別の方法を選んだほうが安心です。
代用品で熱収縮チューブをキレイに縮める手順
ここからは、ヒートガンの代用品を使って、熱収縮チューブをきれいに施工する具体的な流れを解説します。
どの熱源を使う場合でも共通する基本の手順なので、一度覚えてしまえば応用しやすくなります。
熱収縮チューブを通す前の下準備
まずは、収縮させる前の準備をしっかり整えることが大切です。
ケーブルの被覆を剥く場合は、芯線を傷つけないように慎重にカッターやストリッパーを使います。
ねじって接続する場合や半田付けをする場合は、この段階でしっかり固定し、導通を確認しておくと安心です。
次に、熱収縮チューブを必要な長さにカットします。
接合部をしっかり覆えるように、接点部分より少し長めに切っておくと仕上がりがきれいになります。
チューブの内径は「被せたい部分の外径より少し大きい程度」が目安です。
太すぎるチューブを選ぶと、縮めてもブカブカで固定できないことがあるので注意しましょう。
熱収縮チューブに均一に熱を当てるためのコツ
チューブをケーブルに通したら、いよいよ加熱していきます。
このときに意識したいのが「一箇所に熱を集中させない」ということです。
ライターなら炎を動かしながら、ドライヤーならチューブをくるくる回しながら、常に位置を変えつつ温めていきます。
先に中央部分を軽く縮めて固定し、そこから両端に向かって順番に熱を当てると、シワになりにくくきれいに仕上がります。
チューブがだいたい縮んだら、仕上げとして全体に軽くもう一度熱を当てて、密着具合を整えます。
加熱しすぎると内部の被覆が溶けたり、コードが柔らかくなりすぎて断線の原因になることもあります。
「必要以上に熱しない」ことを意識して、様子を見ながら少しずつ縮めるのがコツです。
完成後のチェックポイント
チューブが十分に縮んだら、完全に冷めるまでしばらく触らずに置いておきます。
熱いうちに無理に曲げたり引っ張ったりすると、内部の接続部分に負担がかかってしまうことがあります。
冷めたあとで、次のポイントをチェックすると安心です。
- チューブが接合部全体をしっかり覆っているか
- 両端が浮いておらず、ケーブルに密着しているか
- 押したときにスカスカせず、ガタつきがないか
- 焦げ跡や溶けて薄くなっている部分がないか
問題がなければ、実際に機器を接続して動作確認を行います。
点灯しない、電源が入らない、途中で切れるなどの不具合があれば、接続部分を再度見直したほうがよいでしょう。
ヒートガンの代用品を使うときに意識したい安全対策
ヒートガンの代わりに身近な道具を使うときは、便利な一方で安全面のリスクも抱えています。
特にライターやガスコンロなど火を使う方法は、焦げや火災、やけどにつながる可能性があるので慎重に扱う必要があります。
作業をするときは、必ず可燃物を遠ざけ、新聞紙や布など燃えやすいものの上では絶対に行わないようにしましょう。
また、見えにくい細いコードの被覆は、思った以上に熱で柔らかくなりやすいです。
外見が無事でも内部で溶けて接触不良を起こしていることもあるため、加熱しすぎには十分注意してください。
可能であれば、最初は不要なコードや短い切れ端を使って練習し、どのくらいの距離と時間でちょうどよく縮むか感覚をつかんでおくと安心です。
頻繁に熱収縮チューブを使う予定がある場合は、最終的にヒートガンや電気式の小型ヒーターを用意しておくと、作業効率と安全性の両方を高めることができます。
まとめ|熱収縮チューブはヒートガンの身近な代用品でOK
熱収縮チューブは、必ずしも専用のヒートガンがないと使えないわけではなく、ライターやドライヤーなどの身近な道具でも十分に施工できます。
大切なのは、一箇所に熱を集中させず、全体に均一に少しずつ熱を当てていくことです。
そのためには、チューブの長さと太さを適切に選び、接合部をしっかり準備してから加熱を始めることが重要になります。
また、ヒートガンの代用品を使うときは、安全対策をおろそかにしないことも欠かせません。
火を使う場合は周囲の環境に配慮し、焦げややけどのリスクを減らすためにも、まずは不要なコードで練習して感覚をつかむと安心です。
熱収縮チューブをヒートガンの代用品でうまく扱えるようになれば、ちょっとしたコード補修やDIY配線の仕上がりがぐっときれいになります。
工夫しながら少しずつ経験を重ねて、自分に合った加熱方法を見つけていきましょう。

