ビジネスメールや社外プレゼンの場で、「弊社」と「当社」のどちらを使うべきか迷った経験はありませんか?
なんとなく使っているけれど、実は意味に違いがあると聞いて戸惑う人も多いはずです。
結論から言えば、「弊社」は自分の会社をへりくだって表現する敬語、「当社」は中立的な自称表現です。
使う相手やシーンによって適切に使い分けることが、信頼されるビジネスマナーにつながります。
この記事では、「弊社」と「当社」の意味と違い、使い分けのポイント、そしてよくある誤用例について具体的に解説します。
「弊社」と「当社」の違いとは?
それぞれの言葉の意味と立場
「弊社」は、自分の会社をへりくだって言う謙譲語です。
社外の相手に対して自社を紹介する際に使います。
「当社」は、自分の会社を中立的に指す言葉で、敬語ではない一般的な自称です。
どちらも自分の会社を指すが、ニュアンスに注意
「弊社」と「当社」はどちらも自分の会社を指しますが、相手への配慮や立場によって使い分ける必要があります。
丁寧な表現が求められる場面では「弊社」が基本です。
「弊社」と「当社」の意味と使い方の比較表
表現 | 意味 | 使用場面 | 注意点 |
---|---|---|---|
弊社 | 自分の会社をへりくだって言う謙譲語 | 顧客・取引先など社外とのメール、契約書、プレゼンなど | 社内や自社Webページでは不自然になる場合がある |
当社 | 自分の会社を中立的に言う表現 | 社内文書、広告、求人、パンフレット、Webサイトなど | 対外メールで使うと、やや不遜に感じられる可能性あり |
「弊社」と「当社」の使い分けのポイント
社外との会話・文書では「弊社」
ビジネスメール、契約書、提案書などで顧客や取引先に向けて書く場合、「弊社」を使いましょう。
- 例:「弊社では〇〇事業を展開しております。」
- 例:「貴社と弊社の連携についてご相談させてください。」
社内や中立的な場では「当社」
「当社」は、社内向け文書や広告、広報資料、採用案内など、対外的でも中立な情報発信には適しています。
- 例:「当社は〇〇業界で20年以上の実績があります。」
- 例:「当社社員インタビュー」(採用ページなど)
誤用の実例と注意点
「弊社」を使ってはいけない場面
「弊社」はへりくだりの表現であるため、社内会議や同僚との会話では不自然に感じられます。
- NG例:「弊社ではこれを導入します(社内会議で)」
また、社内向けメールやマニュアルでも「弊社」は避け、「当社」や「社名」などにしましょう。
「当社」を使ってはいけない場面
顧客に対して「当社」と言うと、相手に敬意を払っていない印象を与えることがあります。
- NG例:「当社製品はいかがでしたか?」(営業メール)
この場合は「弊社製品」とする方が丁寧で、信頼感につながります。
「弊社」「当社」以外の表現との比較
「我が社」や「自社」「うち」は、カジュアルな場面や社内会話で使われることがありますが、ビジネス文書には基本的に不向きです。
各表現の使い分けと適切性
表現 | 使われる場面 | 適切性 |
---|---|---|
弊社 | 対外的なメール・書類・営業など丁寧さが求められる場面 | ◎(非常に丁寧でビジネスマナーとして基本) |
当社 | 中立的な表現が求められる社内資料・採用ページ・広告など | ○(中立性があり社外にも使えるが状況に応じて) |
自社 | 第三者視点での比較説明や技術論文など | △(論文・比較資料には使えるが敬語ではない) |
我が社 | カジュアルなプレゼン、インタビューなどで自社を強調したい場面 | △(フォーマルなビジネス文章には不向き) |
うち | 非常に口語的な場面、社内雑談など | ×(ビジネス文書やメールには不適切) |
まとめ
「弊社」と「当社」はどちらも自分の会社を表す表現ですが、「弊社」は謙譲語で社外向け、「当社」は中立的な自称で社内・広報向けに使われます。
適切に使い分けることで、相手に丁寧で誠実な印象を与え、ビジネスコミュニケーションの信頼性が高まります。
日常的に使う表現だからこそ、正しく理解し、シーンに応じた使い分けを心がけましょう。